株式会社アルバックとアルバック・クライオ株式会社は、IBMの知見を取り入れながら、量子コンピューター向け次世代希釈冷凍機の開発を進めています。本製品は、量子コンピューターの安定動作を支える極低温環境を実現し、日本発の高度な技術によって、世界の研究・産業の進化を加速させる鍵となります。海外製品が主流となっている日本市場において、アルバックは国内生産体制を構築。研究・開発の基盤を強化し、より迅速かつ安定的な技術供給を実現していきます。
量子コンピューターの発展を支える極低温技術
量子コンピューターの中核をなす超伝導量子ビットは、絶対零度に近い極低温環境でのみ機能します。アルバックは、その冷却インフラを担う希釈冷凍機のさらなる進化に挑み、次世代の量子技術に最適な環境を提供します。
製品の特長
日本の量子産業の課題に応える
現在、日本の量子コンピューター研究および産業分野では、海外メーカー製の希釈冷凍機が広く導入されています。しかし、納期の長期化やメンテナンス対応の遅れといった課題が顕在化しています。こうした状況の中、アルバックは独自の国内生産体制を確立し、スピーディかつ確実な技術サポートを提供することで、日本の量子技術の発展を根幹から支えてまいります。
IBMとの連携と業界の未来へ
アルバックは、IBMの専門的な知見を取り入れながら、同社の超伝導量子ビット方式量子コンピューターの仕様に適合する次世代希釈冷凍機システムを開発しています。この取り組みは、世界の量子コンピューティング産業の発展を後押しすると同時に、極低温分野におけるグローバルサプライチェーンの強化にも貢献するものです。
「私たちの目標は、ますます複雑化する量子マシンの構築を実現することにあります。そのためには、ULVACのようなパートナーが重要なコンポーネント開発で協力してくれることが不可欠です。そうした取り組みによって、システムと産業の両面でさらなる拡大が可能になると考えています。 半導体事業においては、これまでもULVACとの長年にわたる連携によって高度な装置を生み出してきました。今後の量子産業においても、ULVACが中心的な役割を担っていくことを大いに楽しみにしています。」
-- IBMフェロー 兼 IBM Quantum バイス・プレジデント ジェイ・ガンベッタ(Jay Gambetta)
「アルバックは、長年にわたり培ってきた真空・極低温技術を基盤に、量子コンピューターの商業利用を加速させるためのソリューション開発に取り組んでいます。今後もIBMとの連携を強化し、高性能な希釈冷凍機を世界中へ安定供給することで、研究や産業界のさらなる発展を支える土台づくりに貢献してまいります。」
-- 株式会社アルバック 代表取締役社長 岩下 節生
今後の展望
量子コンピューター産業は、今後10年で大きく拡大すると予測されています。アルバックは、真空・極低温技術を最大限に活かした冷却ソリューションを通じて、より多くの研究機関や企業が量子技術にアクセスできる社会の実現を目指しています。
現在、アルバックはIBMと協力して評価試験を進めており、本年中には米国ニューヨーク州ポキプシーに所在するIBMの量子データセンターでの試験を実施する予定です。2026年初頭の産業展開に向けて、今後もIBMおよび世界のパートナーと連携し、次代の量子社会を支える冷却技術の革新に取り組んでまいります。
お問い合せ
アルバック・クライオ株式会社 営業企画課
電話:0467-85-8884 / メールフォーム:cryokikaku@ml.ulvac.com
このサイトでは、お客様の利便性や利用状況の把握などのためにCookieを使用してアクセスデータを取得・利用しています。Cookieの使用に同意する場合は、
「同意しました」をクリックしてください。「個人情報保護方針」「Cookie Policy」をご確認ください。