株式会社アルバック(以下、当社)が製作した「パルスレーザーデポジション(PLD)酸化物薄膜作製装置」が、独立行政法人国立科学博物館の「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されました。
なお、2024年9月10日(火)~9月29日(日)に国立科学博物館 上野本館で開催される「未来技術遺産登録パネル展」にて、本件を含む登録資料の紹介パネル等が展示されます。
代表者コメント(開発本部長 清田淳也)
当社は、経営基本理念として「真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」と掲げております。今回、重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されたことは大変名誉なことであり、まさに経営基本理念を実践してきたことによるものであると感慨深く感じております。これを励みに今後もさらなる技術革新に取り組んでまいります。
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」とは
日本の科学技術史資料のうち、「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を選定し登録するものです。2008年より実施されています。
選定理由
本装置は、フラットパネルディスプレイ市場にゲームチェンジを起こした世界初の透明アモルファス酸化物半導体In-Ga-Zn-O [IGZO]の薄膜トランジスタ(TFT)の発明に貢献したものです。材料と半導体の2分野で傑出した成果に貢献したとして選定されました。
本装置で作製したIGZO-TFTは、エピタキシャル結晶膜では多結晶シリコンに匹敵する移動度を、アモルファス膜ではアモルファスシリコンよりも1桁高い値を実現しました。これらの研究成果はScience(2003)とNature(2004)に報告され、IGZOの半導体としての可能性を初めて明らかにしました。
さらに、本装置には当時の制御機能が堅持されており、納入時の書類・図面も残されていることなどから、学界及び産業界にとって非常に重要であることも評価されました。
なお、本装置が発明に貢献した「フレキシブル透明アモルファスIGZO薄膜トランジスタ」も、今回同時に「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されております。これは、高精細液晶や有機ELテレビなどの新市場を開き、現在では医療用デバイスや半導体メモリーにも波及し、世界の電子産業にイノベーションを起こしている技術です。材料科学と半導体エレクトロニクスの分野において、歴史上極めて重要であると評価されています。
関連外部サイト
・独立行政法人国立科学博物館(産業技術史資料情報センター)重要科学技術史資料
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