加速度センサ内のデバイスはすべて真空中でつくられる

真空ひばりの真空教室  Vol.20

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。
私の名前「真空ひばり」は、ボイルの法則で知られる科学者、ロバート・ボイルが、真空中では音が伝わらないことを知るために「ひばり」を使って実験したという逸話をもとにつけられた名前です。よろしくネ♪

加速度センサ内のデバイスはすべて真空中でつくられる

科学実験や地震計などで加速度を計測する加速度センサは、ゲームのコントローラや携帯電話の歩数計など私たちの身近なものにも使われていますが、「MEMS(メムス:Micro Electro Mechanical System)」と呼ばれる技術を使ったセンサの代表です。加速度って速度の時間変化ですが、それを検出する方式には、圧電型静電容量型ピエゾ抵抗型などがあります。

このうち圧電型は、チタン酸バリウムなどの結晶にある向きの力をかけると、その力に比例して起電力が発生する性質をもちます。このような結晶体に錘(重り)を押し付けておくと、加速度運動によって錘が圧力を与えます。この圧力の程度に応じて起電力が発生するため、その大きさから加速度がわかるというしくみになっています。このチタン酸バリウムの薄膜は、もちろん真空中でつけられます。

真空技術を応用して加速度センサは小型化した

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を務める27歳。

静電容量型では、錘を乗せた板(シリコン基板)に梁(ビーム)を吊るし、その下には金属電極を並べておきます。つまり錘を乗せてビームで支えられたシリコン板と金属電極とがコンデンサを作る形となります。コンデンサって理科の授業で実験したのを覚えていますか? そのコンデンサの静電容量は、電極の間隔に反比例するため、加速度運動によって、錘を支えるビームがたわむと静電容量が変化します。そのとき、金属電極に出入りする電流を測定することで静電容量の変化がわかり、そこから加速度の変化を知ることができます。

いっぽうシリコン基板にイオン注入機でホウ素を打ち込んでおくと、その基板に力が加わったときに、抵抗値が変化するようになります。これをピエゾ抵抗と呼び、その抵抗値の増減から加速度の大きさと方向がわかります。MEMSという半導体の微細加工を応用した技術を使うことで、加速度センサは驚くほど小型になりました。こんなことからも、真空技術は私たちの生活に欠かすことができないものであることが、よくわかると思います。

用語解説

静電容量

コンデンサなどが、電荷を蓄える能力を表す量のこと。コンデンサの極板間に電圧をかけると。両極板上に電圧に比例した電荷が蓄えられる。

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