ULVAC Technologies, Inc. (UTECH)

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アルバックのアンテナとして、さらなる市場拡大を担う

ULVAC Technologies, Inc.(UTECH)(社長:ウェイン・アンダーソン)は、アルバックの米国における拠点として、北米から中南米に至るまで広くカバーしている。特に、近年、新興の南米地域では、アルバックの多岐にわたる真空の応用技術がさまざまな市場と密接に関わってきている。これらの市場には、次世代メモリ及びロジックデバイス、TFB(固体薄膜電池)、太陽電池、生物医学、MEMS、LED、多機能ガラス、自動車、冷凍機/ 空調機などが含まれ、それぞれの市場に研究開発から試作、多くの場合は大量生産までの製造工程がある。 UTECH は、これらの市場のニーズをいち早くキャッチし、お客様のニーズにお応えする 「ULVAC」ブランドの製品を提供していくことを使命としている。今回の「拠点巡り」ではUTECH を紹介する。

はじめに

 UTECH の使命を考える際、アルバックの幅広い産業分野に向けた製造事業からつくりだされるさまざまな製品群によって、どの領域をどのようにサポートするかという課題がある。幸運なことに、UTECH には幅広い製品知識を持つ勤務年数の長い社員が数多くいる。一時、UTECH には 130 人の社員がいたが、2001 年9 月11 日の同時多発テロ事件の後、著しく業績が悪化し、全社員数は50% 以上減少した。現在は55 人にスリム化したものの、以前よりも融通が利き、効率的な組織になった。例えるなら2013 年のワールド・シリーズ・チャンピオンであるボストン・レッドソックスのように、複数のポジションを経験し、さまざまな専門技術を持った社員が組織の土台となっている。
これまでも、そしてこれからも、UTECH のチームワークが成功に導いてくれると確信している。
今回の「アルバック 拠点巡り」では、UTECH 社長のウェイン・アンダーソンにUTECH の歴史、市場、 経営理念及び今後の展望について話を伺った。
Utech Network

UTECH の歴史

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Wayne Anderson President & CEO ULVAC Technologies, Inc.

UTECH は、1992 年3 月31 日に、マサチューセッツ州アンドーバーに、アルバックの海外現地法人として欧米でのビジネスの拡大を目的に設立された。米国でのアルバックのルーツは次の2 カ所の拠点にある。一つ目はメーン州ケネバンクに設立したULVAC North America Corporation(UNAC)という会社で、主にアルバック製品のメンテナンス部品の流通のセンター的役割を果たしていた。二つ目は、マサチューセッツ州ビルリカのBTU Engineering, Inc. とアルバックとの合弁会社で、そこでは拡散炉と選択タングステンC V D 装置「ERA-1000」を開発していた。この2 つの企業を解散して、設立されたのがUTECH である。
UTECH の設立前の1980 年に、アルバックはコネチカット州に拠点を置くEmergent Technologies 社から、UTECHの主力製品となっている 「ENVIRO」のアッシング技術を買収した。この会社は、当社アンダーソン社長の旧友でもあったディック・バーシン氏が所有していた会社であった。同社を買収した後、プロセス及び製品開発は、バーシン氏が主体となって日本で進められた。これらの経緯により、UNAC モデルのアッシング装置として主に日本で採用された。
このUNAC モデルは、最終的にUTECH に移管され、当社の製造業務の基礎となった。UNAC モデルの米国生産は、当初「組立式キット」から100% 国内供給部品に移行し、この時に製品名を「Phoenix」とした。環境に優しい溶媒フリー処理機能をコンセプトとした同製品はその後「ENVIRO」に進化した。「ENVIRO」は1990 年代半ばに市場で広く受け入れられ、半導体装置製造の事業拡大に貢献した。これらの製品のヒットにより、当社は1997 年に42,000 平方フィートの半導体専用の工場を、現在の本拠地であるマサチューセッツ州のメシューエンに建設した。この工場には、アッシング及びエッチング技術に対応したクラス10/100 の実験室及びクラス1000/10,000 のクリーン製造スペースがある。
この数年の間に、UTECH は、製品の品質向上に努め、お客様の信頼を構築し、事業を拡大してきた。同時に、社員にとってやりがいのある職場環境にも注力している。
当社の事業内容は以下に示す通りである。⑴装置及びコンポーネントの輸入製品の北米及び南米での販売・サービス、⑵アッシング装置「ENVIRO」の研究開発・製造・販売・サービス、⑶北米市場におけるアルバックのエッチング技術の創出。