アルバックは、日本の真空技術のパイオニアとして、創業以来、真空に関係する多くの分野で、知的財産権やノウハウを含む知的資産を蓄積してきました。
社内に蓄積された真空関連の知的資産は、冶金・薬品・食品からディスプレイ・半導体・電子分野まで裾野が広く、新しい技術への展開が可能です。
真空技術は、空気さえも不純物となるクリーンな環境で行われる薄膜形成や微細加工に必須の技術です。また、低温で物質の分離や純化が可能なエコロジー技術でもあります。
私たちは、真空技術が今後の持続可能な世界に必要であり、大きく貢献できると信じています。
来るべき将来のために自社開発に加え、お客様をはじめとする企業や大学機関との共創を進めることで、必要な知的資産の準備を進めています。
特に、成長が予想される半導体・電子部品製造装置の分野で、社会の要求に答えられるように、重点的に開発投資を行い、知的資産の獲得および活用を強化します。
アルバックの知的資産基本方針は、
【知的資産を活用した事業環境の整備と向上、アルバックグループ全体の競争力強化、企業価値の向上】です。
知的資産基本方針に従い、下記の4項目を実施していきます。
アルバックグループ全体の知財戦略を議論するための組織として「知財戦略コミッティ」を組織しています。
開発担当役員を委員長とし、取締役会との連携を図ります。
「知財戦略コミッティ」のメンバーは、事業責任者、開発責任者、そして事務局として知財担当者が加わり、三位一体の戦略を推進しています。
さらに、営業責任者および分析装置、材料などを担当する周辺技術の責任者も参加し、各方面の情報を統合し、全方位的な視点からアルバックグループ全体の知財戦略を策定します。
保有特許数は、不使用特許の整理、見直しを行った結果、事業の選択と集中により減少しました。
今後も製品の市場規模、知財リスクを見つつ、各国特許の見直しや効果的な出願を進めてまいります。
半導体・電子部品製造装置やディスプレイ・エネルギー関連製造装置を中心に保有特許構成比が売上比を上回っており、権利化された技術やノウハウが事業の基盤を支えています。
主力製品の競争力維持と注力分野での成長に向け、戦略的に開発投資と知的財産の取得を進めていきます。
日本の特許保有比率は、第一国出願による優先日確保のため、売上比率に比べ高くなっています。長期的には、外国の売上比率が増加すると予想されますので、出願を選択しながら、外国特許の比率を増やしていきます。
これまでにも、韓国・中国・台湾を主要な市場として、特許の取得を進めてまいりました。今後も、市場拡大が進む中国と、先進技術領域において主要顧客が存在する韓国・台湾を中心に権利取得を目指していきます。
さらに、今後の投資が見込まれる米国での権利取得も強化します。
知財部門では、経営戦略および事業戦略と連携し、成長領域や未来領域を意識した知財活動を推進します。
製品企画段階から市場投入後に至るまで一貫した活動を展開し、知財環境の可視化や知財設計書の活用を通じて、知財戦略の策定とリスク回避に取り組んでいます。持続可能な価値の創出を支援し、将来の成長機会の獲得を目指しています。
EVバッテリー市場は今後拡大が見込まれています。当社は保有する真空技術を活用することにより、次世代EVバッテリーの技術革新に貢献します。技術動向調査によれば、次世代EVバッテリーには、安全性向上、小型・軽量化、部材コスト低減、GHG削減等の課題があります。当社はこれまで培ってきた巻取式の真空成膜技術により、これらの課題を解決します。
知財活動では、技術動向の分析を行い、開発をサポートして、市場をリードする製品を提供することに寄与します。さらに、当社は、市場優位性を維持するために特許出願を継続的に行い、知的財産ポートフォリオを強化します。
パワー半導体市場は、特に今後伸長する分野の一つとなっています。当社の製造装置も市場拡大が期待されています。技術動向調査によれば、パワー半導体用製造装置においては、小型化、高出力化、電力ロス低減、低コスト化といった課題が挙げられ、当社はイオン注入、スパッタ、エッチング等の真空装置技術を用いて、これらの課題を解決します。
また、知財活動においては、市場成熟度、他社とのポジション比較、保有技術の強み等に関する分析を行い、開発をサポートします。戦略的な知財取得を継続的に行うために、知財部門、開発部門、および事業部門間で多面的にコミュニケーションをとりながら、将来性を高める知的財産ポートフォリオの構築に取り組んでいます。
アルバックの知的資産は、自社競争力を高めるだけでなく、社会課題の解決や持続可能な未来の実現に向けた手段としても貢献しています。
真空技術は、エネルギー消費や環境負荷の低減に資するとともに、次世代エレクトロニクスの基盤となる薄膜形成技術を支える重要な役割も担っています。
また、お客様をはじめとする企業・大学・研究機関との共創・協業を通じて新技術の創出に挑戦し、知的資産の社会的価値を高めるとともに、社会課題の解決と企業価値の両立を目指しています。
このサイトでは、お客様の利便性や利用状況の把握などのためにCookieを使用してアクセスデータを取得・利用しています。Cookieの使用に同意する場合は、
「同意しました」をクリックしてください。「個人情報保護方針」「Cookie Policy」をご確認ください。