結晶太陽電池向け
イオン注入装置の開発

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(※この記事は、2015年6月発行のテクニカルジャーナルMo.79に掲載されたもので、内容は取材時のものです。)

 

3.注入特性

Figure 5 Resistance values and wafer in-plane uniformity for continuous implantation.
Figure 5 Resistance values and wafer in-plane uniformity for continuous implantation.

リンのシート抵抗の安定性及び面内均一性について記述する.
テクスチャ付156mm□N型単結晶太陽電池0.5~6[ohm・cm]Cz基板に,リンの注入を基板片面の全面に行う.その後アニール(ULVAC製 V8炉)を行い,シート抵抗値を確認した.基板は5500枚の連続注入を行い,抵抗値を確認した.注入条件は,注入エネルギー10keV,Dose量は3.0×1015[ions/cm2]の条件である.
Figure 5は,抵抗値及び基板面内抵抗値分布を示したものである.抵抗値は平均50[ohm/sq.]でウエハ間分布は((Max-Min)/(Max+Min)×100)±4.0%以下となっている.量産でも抵抗値安定性が得られている.
また,ウエハ面内の均一性も4.0%以下の値が得られている.

 

4.パターニング技術

Figure 6 Widths of mask patterns and wafer locations.
Figure 6 Widths of mask patterns and wafer locations.

パターンマスクを用いた注入について記述する.テクスチャ付156mm□N型単結晶太陽電池0.5~3[ohm・cm]Cz基板にボロンをマスクを用いて注入する.注入エネルギー10keV,Dose量は7×1015[ions/cm2]の条件である.注入後に注入パターンの幅を光学顕微鏡で確認した.

Figure 6は注入幅と位置の結果である.マスクの注入幅は570μm平均で,パターンの幅の分布は±4.0%以下となっている.この精度でパターン幅の制御が可能となっている.

 

5.終わりに

Figure 7 Solar cell module manufactured with a PVI-3000N system (This module was provided by LG Electorincs, Inc.).
Figure 7 Solar cell module manufactured with a PVI-3000N system (This module was provided by LG Electorincs, Inc.).

アルバックは結晶太陽電池向けにイオン注入装置を開発した.コンパクトでマスク注入が可能な装置であり,安定性にも優れている.Figure 7はPVI-3000Nによって量産されたセルを用いた太陽電池モジュール例であり,すでに太陽電池のお客様の設備としてPVI-3000Nは量産稼働している.

 

 

 

 

 

 

(※この記事は、2015年6月発行のテクニカルジャーナルMo.79に掲載されたもので、内容は取材時のものです。)

 

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文 献
1) Andrew W. et al.: Appl. Phys. Lett. 55(13)(1989), 1363.
2) J. Zhao, A. Wang and M. A. Green: Prog. Photovolt. Res. Appl. 7(1999), 471.
3) R. M. Swanson.: Proc. 33rd IEEE photovoltaic specialists Conference(2008)