GaAs(ガリウム砒素)はIII / V族半導体の一種であり、シリコンに比べて高い電子移動度と高い飽和電子速度を備えています。
バンドギャップが広く、高い動作周波数で、シリコンデバイスよりもノイズが少なく、高周波デバイスとして多用されています。
また、間接遷移型の半導体であるシリコンとは異なり、GaAsは直接遷移型の半導体で発光させることが可能です。昨今、スマートフォンの顔認証用途に採用され、市場が拡大したVCSEL(面発光レーザー)はGaAs系の代表的な発光デバイスです。以前より光通信の短距離分野で長く利用されて来ており、その他、センシング、セキュリティー分野でも利用されています。
このVCSELのプロセスフローの中で、GaAs/AlGaAs多積層膜を任意の深さにエッチングしたいという要望もあり、ULVACでは、その制御が可能なプロセスを構築しています。
VCSELプロセスフロー
化合物半導体は電磁波の一種である光や電波を扱うために適した半導体です。
電子の移動度が、はるかに速いため、高速信号処理に優れ、マイクロ波やミリ波(5G)の増幅器(PA)に使用されます。古くはGaAs、現在はGaN-HEMTが5Gの携帯基地局に使われています。
また化合物半導体は発光素子として必須の材料で、元素の組合せで様々な波長をカバーします。赤外はInP、AlGaInP、AlGaAsといった組成となり、端面発光レーザー(EEL)や、面発光レーザー(VCSEL)に使われ、光通信、センシング、セキュリティーの分野で顔認証やLiDAR、自動運転といった用途で使用されます。
青、紫ではGaNが使用され、照明、ヘッドランプ、ディスプレイに利用されており、u-LEDは次世代ディスプレイとして注目されています。現在は緑、赤の波長への拡大も研究開発が進んでいます。
これらはXRの分野で融合し、メタバースの世界でも必要なデバイスになるでしょう。
なお、紫外はAlN、AlGaNといった組成となり、DUV(深紫外)は殺菌、浄水へ適用可能で、新型コロナを不活化できる波長として期待されています。
ちなみに、GaN、SiCは破壊電界強度が高いため、次世代パワー半導体としても期待されており、鉄道、EV、最近は急速充電器にも利用が拡大しています。
IGBTプロセスで必要となるイオン注入技術について紹介します。
P+,N+ Field Stop層形成
P+,N+ Field Stop層の形成には、プラズマ源IHCを使用しているイオン注入装置が使用されます。IHCはIndirect Heat Currentの略で、特徴は、フィラメントがDirectにプラズマ表面に晒されないので長寿命です。
原理はフィラメントから熱電子が放出され、それがカソードの衝突し、カソードから電子が放出され、リペラーで反射されながら電子が導入されたガスにぶつかりプラズマを形成していきます。
ULVACのイオン注入装置SOPHI-400で本機構を採用しております。
IGBTの製造工手の中で、電極形成に必要となるスパッタリングの技術について紹介します。
スパッタリング(電極形成)
IGBTの電極形成に使用される薄ウェーハ対応スパッタリング装置は量産工場で数多く使用されています。薄ウェーハの割れを回避するためのNi 又はNiV成膜による応力コントロールをする技術が重要です。
例えば、特殊冷却ステージを使用し温度制御するという方法があります。原理はPure Ni成膜中、低温で成膜することにより、応力を軽減させることで実現します。また、NiVのX Parameterを使うことによりNiVの応力コントロールも可能です。
ULVACのスパッタリング装置はuGmniは、これらの技術が使われており300mm の薄ウェーハ対応装置も提供しています。
枚葉式複合モジュール型成膜加工装置uGmniについて
枚葉式複合モジュール型成膜加工装置uGmniは、スパッタリング、エッチングなど複数の異なるプロセスモジュールを同一搬送コアに搭載し、可能な限り構成部品の共通化を行い、スペア部品の低減や同一操作画面による使い勝手向上など、電子部品の製造工程において更なる効率化を実現いたします。
メンテナンス性にも優れております。
ULVACではパワーデバイスIGBTの製造プロセスに向けたイオン注入装置、スパッタリング装置 等の技術を提供しています。パワーデバイスIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)とはInsulated Gate Bipolar Transistorの頭文字を取ったものです。
パワーデバイスIGBTのプロセスフロー
1.基板
2.B+注入
イオン注入装置を使用します。
3.マスク用絶縁膜形成
CVDでマスク形成をします。
CVD装置の紹介
4.マスク用絶縁膜加工
エッチングとアッシングで絶縁膜を加工します。
5.P+注入
イオン注入装置を使用します。
6.トレンチ形成
エッチングでトレンチを形成します。
ドライエッチング装置の紹介
7.絶縁膜形成
CVDで絶縁膜を形成します。
CVD装置の紹介
8.絶縁膜加工
エッチングとアッシングで絶縁膜を加工します。
9.Emitter電極形成
スパッタリングや蒸着で電極形成をします。
スパッタリング装置の紹介
10.P+ FS層形成
イオン注入装置でP+FS層を形成します。
イオン注入装置の紹介
11.B+(Collector)形成
イオン注入装置でB+(Collector)を形成します。
IGBT向け加工技術の紹介(イオン注入)
イオン注入装置の紹介
12.Collector形成
スパッタリングや蒸着でCollector形成します。
IGBT向け加工技術の紹介(スパッタリング)
スパッタリング装置の紹介
ULVACのキーテクノロジー
Ion Implantation
・FS層向けリン注入によりIGBT性能向上
・FS層向け水素注入によるCost低減
Sputtering
・薄ウエハー搬送可能
・応力調整
Etching
・Trench構造にも対応
PE-CVD
・27MHz駆動の低Damage Plasma
・基板Biasによる膜応力controlも可能
システムインパッケージ(SiP)とは複数の半導体チップを1つのパッケージ内に封止する技術ことです。半導体Chipをそれぞれ作製し、実装プロセスで組み合わせます。
対してシステムオンパッケージ(SoC)は1つの半導体チップ上に異なる機能を集積する技術です。例えば、CPUと大容量メモリ、高耐圧電源ICと低電圧CPU、などをワンチップ化する技術のことをいいます。
SiPは、チップ間の配線を設けるため、SoCと比較して応答速度などで性能が低いこと。SoCは、高い歩留まりをKeepするのが困難であることと、製造工期が長いなどそれぞれ違いがあります。
再配線層、Build up配線以外にも、SiP向けにプラズマ技術は応用されています。 この動画ではULVACが提供する表面改質処理といったアプリケーションを紹介します。
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Printed Circuit Board (PCB)とは絶縁体の内部、または、表面に金属配線が施された電子部品が取り付けらる基板のことです。半導体パッケージ(実装)製品の王道製品と言えます。 アルバックは、PCB製品の微細化技術に一役買っています。 将来をターゲットに据えたドライ化技術について紹介します。
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最先端のパッケージ(実装)製品には、プラズマ技術が既に使われています。アルバックではウェハー、パネル向けのプラズマアッシング装置を提供しています。これらのアッシング装置はバッチ式ではなくアッシングレートの面内分布を意識した枚葉式の装置です。
一般的にアッシングとは、フォトレジストをプラズマで分解し除去する工程です。アルバックでは実装の工程のアッシングは比較的簡単なエッチングをするという意味合いで使われています。
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半導体パッケージ(実装)製品のトレンドと言えば、ファンアウト(Fan-out)。アルバックはファンアウトパッケージの量産化技術に貢献しています。 ここでは、プロセスフローとプラズマ技術についてご紹介します。
Key word
Fan-Out(FO) : チップに対して扇状に配線を広げた構造。
Package on Package (PoP) : パッケージを積層した構造。
Redistributed layer (RDL)、再配線層 : チップと外部取り出し部までの配線層
Descum : フォトリソグラフィー後の残渣を除去する工程
感光性樹脂 : 光を照射することで性質が変化する高分子材料の総称。
Polyimide : Imide結合を含む高分子化合物の総称。
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