「約束は必ず守る」 ―欧州市場で際立つ日本流の価値とその手応え
ULVAC GmbH 駐在員インタビュー:高野 薫さん
ULVACの海外売上比率は7割を超え、世界各地で多くのメンバーが活躍しています。
本シリーズでは、海外駐在員の視点から、現地での仕事や暮らし、各地のビジネス環境を紹介します。
第1回は、ドイツ・ミュンヘンで5年目を迎えるULVAC GmbH駐在員・高野 薫さん。
欧州で評価される「日本流の価値」をどう感じているのか、仕事の手応えから日常生活まで伺いました。

― 現在の仕事内容を教えてください。
赴任当初は、アルバックのコンポーネントBU(事業部)製品の拡販が私の主なミッションでした。
ここ数年は、一般商談の多くを現地メンバーに任せながら、私はコンポーネント同業他社とのアライアンス構築や、電子機器BUの商談対応に重点的に取り組んでいます。ULVAC GmbHは少人数の組織ですので、人手不足の場面では現場に入って作業することもあります。
また、本社やアルバックテクノとの連携が必要な案件では、コミュニケーションの橋渡し役を務めることも多いです。

― ドイツ(ヨーロッパ)で働き、日本との違いをどのように感じていますか。
ヨーロッパの働き方は、非常に効率的だと感じます。
特に印象的なのは、多言語対応の基幹システムや、誰が担当しても迷わない統一された手順書が整っていること。国境を越えて人が行き来するヨーロッパならではの工夫だと感じます。一方で、見積書の作成や情報収集に時間がかかる場合は、お客さまだけでなく、社内の現地メンバーからも不満が出ることがあります。こういった点は、日本とは違うと感じる場面です。

― 欧州のお客さまは、日本企業をどのように評価しているのでしょうか。
近年、欧州では日本的な仕事の進め方が再評価されていると強く感じます。
「日本の会社は約束に慎重だが、いったんコミットしたら必ず守り、期待以上の結果を出す」という声をよく耳にします。
反対に、受注獲得のために無理な約束をしてしまい、結果として顧客の不信感を招く企業もあります。その違いが、お客さまの満足度に大きく影響しています。
また、ヨーロッパでは品質・職人技・持続可能性・ブランドへの信頼を重んじる文化があります。製品の技術的な価値を明確に説明できれば、過度な価格交渉が起きにくい点も特徴的です。
― 欧州市場の手応えをどのように感じていますか。
これまで世界各地で積み上げてきた実績が、ヨーロッパでも浸透し始めており、ULVAC GmbHは今、大きな成長の局面にあると感じます。
― ミュンヘンでの休日の過ごし方を教えてください。
ドイツでは法律や文化の背景から、日曜と祝日はスーパーやデパートが閉店します。コンビニもありません。そのため、土曜日は食材や生活用品の買い出しに充てることが多いです。平日は20時で閉店してしまうため、うっかりすると「冷蔵庫に何もない!」ということもあります。
日曜は買い物ができないため、私は散歩やジョギングをすることが多いです。ミュンヘンは自然が豊かで、運動を楽しむ人をよく見かけます。また、日本人の友人とテニスをしたり、趣味のテコンドーを続けており、大会に出場することもあります。

― ミュンヘン暮らしで魅力に感じている点は何ですか。
ミュンヘンは立地が良く、オーストリア、スイス、チェコ、フランスへは車で数時間以内。飛行機を使えばエジプトやトルコも数時間で行けます。長期休暇や連休には、こうした近さを生かして旅行を楽しんでいます。
また、ビジネスでは交換部品を持参する必要があるときは、少し遠くても車でお客さまのもとへ行くことがあります。最近ではクロアチアの顧客のもとへ約6時間のドライブで訪問しました。

― 最後に、海外駐在に興味がある方へメッセージをお願いします。
ドイツで働くうえで、ドイツ語は必須ではありません。英語教育が早期から行われているため、多くの場面で英語が通じます。
ULVAC GmbHの公用語も英語で、ULVAC GmbHには15カ国の社員が在籍し、14言語が飛び交う国際的な環境が広がっています。
ミュンヘンには日本食スーパーやレストラン、全日制の日本人学校(小1〜中3)もあり、家族帯同でも暮らしやすい街です。いまは、アルバックが欧州で成長する瞬間を経験できる貴重なタイミングだと感じています。

