圧力の差は、空間に存在する気体分子の数「分子密度」でわかる

真空ひばりの真空教室 Vol. 5

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。
私の名前「真空ひばり」は、ボイルの法則で知られる科学者、ロバート・ボイルが、真空中では音が伝わらないことを知るために「ひばり」を使って実験したという逸話をもとにつけられた名前です。よろしくネ♪

圧力の差は、空間に存在する気体分子の数「分子密度」でわかる

真空の単位って圧力を表す「Pa」が使われているお話を前回しましたが憶えてますか?
Vol.4「低真空」から 「極高真空」まで 真空の5つの分類
実際の真空は、こうした圧力からみた場合、かなり低いものになります。Vol.4でお話した5段階の中の「高真空」に分類される10-3Paと10-5Paでは、力としての違いはほとんどないんです。

なので、圧力としての真空をとらえようとすると無理があって、実際には別のものさしを使って、圧力を置き換えてあげる必要が発生するんですね。それが「分子密度」という考え方なのです。

真空は、閉じた空間の中で大気圧より低い状態のことを言いますが、そこには気体があるので、その分子が一定の体積の中にどのくらいあるかということを分子密度で表すことになります。

この分子密度を利用することで、大気圧に比べて1,000分の1、または10,000分の1というように、測りづらかった圧力の差を、大きな差として認識することができるようになるんです。

差の少ない圧力を差の多い分子数で見る

真空ひばり(まそらひばり) 真空教室の講師を務める27歳。最近実家を出て一人暮らしをはじめる。得意料理はチャーハン。

分子の数で真空を測ると言いましたね!でも、実際に分子の数を数えるということではないんです。そこで、分子密度の計算には、昔から知られている「アボガドロ定数」という定数を利用します。

例えば鉛筆の数を12本で1ダース、12ダースで1グロスと数えるように、化学では分子や原子の物質量を「mol(モル)」という単位で表します。「アボガドロ定数」とは、物質量1molとそれを構成する分子・原子の個数との対応を示す比例定数のことです。

たとえば、空気22.4ℓの中には、6.02×1023の分子が存在することがわかっています。
また、大気圧は105Paですから、これによってある圧力下では、どのくらいの分子が存在しているかが求められるんです。

このように分子密度という切り口で真空を見ると、圧力が低い場合に分子の数が少ないということが感覚的にわかってくるんです。なので、力としての差がわかりにくい圧力の世界では、分子の数で見ることで、とても大きな差があることがわかってきます。

真空を利用してさまざまな材料を加工する場合、その表面は常にキレイな状態でなければなりません。そのためになるべく低い圧力にして気体の分子の数を減らしてあげることが重要です。そのときに利用する考え方が「分子密度」だったり、これからの教室でご紹介する「単分子層形成時間」や「平均自由工程」なんです。

用語解説

アボガドロの法則
温度、圧力、体積の等しい気体は、種類によらず同数の分子を含むという法則。気体反応の法則を説明するため、1811年にイタリア出身の化学者アメデオ・アボガドロが仮設として提唱した。

 

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