ICカードやRFIDタグは真空薄膜技術でつくられる

真空ひばりの真空教室 Vol.21

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。よろしくネ♪

ICカードやRFIDタグは真空薄膜技術でつくられる

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を務める27歳。歴史小説が好き。通勤電車でいつも読んでいる。

クレジットカードや銀行のATMカードなどに代表されるICカード。最近は電車を乗る際に使う交通系のカードもICカードですから、誰でも日々持ち歩くものになっています。今回は、そのICカードや商品タグなどに使われるRFIDタグにも、真空薄膜技術が使用されているというお話です。

ICカードとは、プラスチック板にICチップを組み込んだカードのことです。また、ICとは、集積回路(Integrated Circuits)の略で、複雑な電気回路を顕微鏡でしか見えないくらいの小さな世界に閉じ込めています。いっぽうRFIDタグは、超小型のマイクロチップと小型のアンテナによって構成されていて、マイクロチップに組み込まれた情報を無線で発信します。ICカードのように「カード」という形状にとらわれず、ラベルなどのいろいろな形に変えて使われています。

電波は微弱で到達範囲も短距離ですが、この技術は現在スーパーマーケットやコンビニエンスストアで見かけるバーコードに代わる次世代技術として期待されているんです。ICカードやRFIDタグに埋め込まれているIC(マイクロチップ)は、これまでここでご紹介したさまざまな機器に用いられていたデバイス製造と同じように、真空を利用した薄膜加工技術を使って製造されています。

ICカードやRFIDタグは、記憶容量が多い

ICカードやRFIDタグが盛んに用いられている背景には、個人認証とセキュリティの問題があるんです。クレジットカードなどでは、暗証番号さえ知ってしまえば誰でも使うことができますが、ICチップを採用すると、より個人認証能力が高まって、安全性がアップします。そのためには、カードを使用することができるための、持ち主本人だけの情報の必要性が重要になります。その場合、本人だけの特徴、たとえば諮問や顔写真、瞳の虹彩などをカードの中に織り込むために、ICカードは重要に役割を果たします。まるでスパイ映画のようなことが、現実になってきたっていうことね。

用語解説

集積回路

通常はICと略され、2つ以上の回路素子のすべてが、一つの基板上、または基板内に組み込まれている回路のこと。

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