CCDなどデジカメの心臓部は薄膜技術の集大成

真空ひばりの真空教室  Vol.18

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。よろしくネ♪

CCDなどデジカメの心臓部は薄膜技術の集大成

身近なデジタル製品の中で、静止画を撮影する機器がデジタルスチールカメラ、動画は撮影する機器がデジタルビデオカメラです。どちらも人間の視覚と同じ働きをもつ光学部品と電子部品からつくられています。光(画像)が、人間の水晶体に相当するレンズを通して、同じように人間の網膜に相当する受光素子(CCD、イメージセンサ)からの信号を、脳に相当する画像プロセッサで処理して、0と1のデジタルデータとしてメディアに記録しています。

光学部品や電子部品の多くは、真空薄膜技術でつくられている

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を務める27歳。

デジタルカメラの性能を決めるものとして、受光素子の画素数があり、画素数が多くなれば画質が鮮明になっていきます。ここでは画像をフィルタに通して、薄型テレビのところでもお話した光の3原色のR(赤)、G(緑)、B(青)ごとに、各々の光の強弱を受光素子で感じ取って信号に変えています。画素数を上げて画質を鮮明にするためには、個々の光学部品、電子部品の高機能化、小型化が必要となります。

そして、こうしたデジタルカメラの光学部品、電子部品の製造には、真空薄膜技術が切っても切れないものとなっているんです。デジタルカメラのCCDやイメージセンサ、画像処理エンジンとなるLSIなどのデバイスは、真空中でのスパッタリングやCVDを利用して成膜した後で、フォトマスクによる感光、エッチング、レジストはく離を繰り返して製造されます。

カメラのレンズには、反射防止膜がついていますが、これも真空蒸着でつくっています。このようにデジタルカメラやデジタルビデオカメラの中には、たくさんの真空技術を利用したデバイスが詰め込まれているんです。

用語解説
CCD
半導体の上につくられた電極に、次々と電圧をかけていくことによって、半導体中のキャリアの量を保ったまま移動させていく撮像素子。

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