CD・DVDの反射膜

真空ひばりの真空教室  Vol.17

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。
私の名前「真空ひばり」は、ボイルの法則で知られる科学者、ロバート・ボイルが、真空中では音が伝わらないことを知るために「ひばり」を使って実験したという逸話をもとにつけられた名前です。よろしくネ♪

CDDVDの反射膜も真空薄膜加工技術で成膜

ここでは真空を利用した薄膜加工技術をいろいろご紹介していますが、今回は光を利用して情報を記録するメディアとして代表的なCDとDVDのお話です。どちらも記録・再生が可能なタイプと再生専用のタイプがありますが、その動作原理は基本的に同じで、レーザー光を当てることによって情報を記録し、レーザー光の反射を読み取ることで再生をします。

このレーザー光を安定して反射するためにCDやDVDには、アルミニウムの薄膜が塗布されていて、その成膜には蒸着法、スパッタリング法といった真空薄膜加工技術が用いられているんです。

真空内での薄膜生成は、原子1個分の厚さも可能

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を務める27歳。一年経つのがあっという間に感じるようになってきた。

DVDは、貼りあわせた2枚の円盤の間にデータを記録したピットと呼ばれる小さなくぼみがらせん状にたくさん配置されています。このピットの表面には、真空内で成膜をされたアルミニウムの薄い膜が付いていて、レーザー光を当てると段差の部分と平坦な部分で反射光に違いが生じます。この変化を読み取って0または1のデジタルデータとして判断して、再生ができるようになります。

このピットの大きさは0.4μm~2.13μmで、その差異を読み取るため、アルミの膜は数千Å(オングストローム:1Å=10-10m)レベルの厚さになっているんです。

ちなみにCDやDVDの膜厚は、数千Åですが、現在の薄膜製造技術では、数Åレベルの薄膜をつけることも可能です。この厚さは、原子1個が並んでいる状態で、スパッタリングで対応できるんです。この場合、スパッタリングのパワーを落とすだけでなくて、基板との距離を離して、しかも材料が入り込む入り口を狭くすることで、ほんのちょっとしか出てこないようにして基板を高速回転させます。こうすると基板には、少しずつ何回かに分けて材料がつき、単原子層がつくられます。ほかにも超高真空にして、るつぼからゆっくり材料を蒸発させて膜をつける方法などが用いられています。

用語解説
レーザー
低いエネルギー状態にある分子の数より高いエネルギー状態にある分子の数の方が多い物質に、共鳴する光を作用させて、光の増幅を起こさせるための装置。

 

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