薄膜に欠かせない真空技術

真空ひばりの真空教室  Vol.15

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。私の名前「真空ひばり」は、ボイルの法則で知られる科学者、ロバート・ボイルが、真空中では音が伝わらないことを知るために「ひばり」を使って実験したという逸話をもとにつけられた名前です。よろしくネ♪

薄膜の多くは真空の中でこそつくられる

今回はVol.10のプラズマのお話のときも出てきた薄膜についてのお話です。
目覚ましいほどの発展を遂げるハイブリッドカーやスマートフォン、薄型テレビ、デジタル家電などの重要な部分の部品には、薄膜を利用した電子部品が数多く使われています。なぜかというと、超小型化、高機能、高信頼性、省資源、低コストに薄膜が大変貢献しているからです。
こうした薄膜の製造は、真空装置によって主につくられています。真空技術は、バイテクノロジー、マイクロマシン、次世代コンピュータのキーテクノロジーであるナノテク分野にも必要不可欠な技術なんです。

nm(ナノメートル)の薄膜生成も可能に

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を努める27歳。湘南ベルマーレJ1昇格おめでとう。

薄膜製品というと、台所のアルミホイールやラップを思い浮かべますが、それらは材料を延ばしてつくるため、数10μmほどの薄さが限界です。これに対して、電子部品などの重要な役割を担っている薄膜の場合は、数μmから数nmの極薄の膜のことです。1μmの膜は1㎜の1,000分の1、nmという単位は1㎜の1,000,000分の1であるため、想像もつかないほどの薄さになります。
こうした薄膜は、物理的に引き延ばしてつくることはもちろん不可能。実際には、真空中の材料を原子や分子状にバラバラな状態にして、積層するという高度な技術で可能となります。薄膜の応用分野はとても広く、LCD(液晶ディスプレー)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)などのFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造や、ハードディスク、光ディスクなどのデジタル製品用部品製造、あるいは半導体の記録素子のDRAM(ディーラム)や強誘電体メモリ、半導体回路のアルミ・銅配線や高密度実装などの半導体製造、他にもハイブリッドカーや燃料電池自動車部品、太陽電池などの環境・エネルギー対応産業での利用、さらにはナノテクノロジーやマイクロマシンなどの最先端技術分野での応用など、人類にとって有益な製品を創出する原動力となっているんです。

用語解説
誘電体
絶縁体を電場の中に置いたとき、正電荷は電場の方向に、負電荷は電場と反対の方向に変位する現象が起こる物質を誘電体といいます。

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