真空成形とは?

真空ひばりの真空教室  Vol.14

はじめまして! 真空(まそら)ひばりです。
この教室で皆さんに「真空」のことをいろいろレクチャーしていきます。よろしくネ♪

プラスチック板を金型に吸い付けて成形する真空成形

真空ひばり(まそらひばり)真空教室の講師を努める27歳。

私たちのまわりにある日用雑貨や玩具、電気部品、自動車部品などの材料として、熱(ねつ)可塑性(かそせい)プラスチックが使われていますが、その製造方法として「真空成形」が行われています。プラスチックの薄板を加熱してやわらかくした後に、金型に真空を密着させて成形する代表的なプラスチック成形方法の一つです。

使用されるプラスチック板の代表的なものは、ABS・AES・PMMA・PC・PP・PE・HIPS・PET・PVCなどがあって、最近では複合多層材料や印刷された材料が使用されることもあります。

真空成形では、まず材料のプラスチック板の両面をヒーターで加熱して、やわらかくしてから、金型にセットします。それから金型に加工されている小穴から、プラスチック板と金型の空間内の空気を瞬時に真空ポンプで真空排気して、プラスチック板を金型に密着させます。
プラスチック板は、冷却すると固化するので、真空排気を止めて金型から外して、余分な部分をカットすれば製品のできあがりです。

真空成形は他の成形方法に比べて安価

真空成形の装置は、用途に応じて単発型と連続型があります。単発真空成形機は、「枚(まい)葉(よう)シート」と呼ばれる単板状の材料を使用し、多品種少量生産に向いています。

いっぽう連続成形機は、ロール状シートやフィルムを連続的に供給しながら、加熱、成形、冷却、離型、抜きの一連の工程を行い、トレー・パックなどの肉厚が薄い成形品や巻物の発泡シートにも対応できまて、大量生産が可能なんです。

真空成形は、成形圧力が低いため、金型材料に金属以外(樹脂製)の材料が使用でき、他の成形方法と比べて安くできるため、量産はもちろん、多品種少量生産にも適しているんです。

凸型や凹型の金型の選択によっては、成形品の内側・外側の寸法精度、表面のシャープさ・滑らかさ、深絞り、複合多層材料や、シルク印刷・グラビア印刷された材料の成形が可能で、機能性や、表面に装飾を加える加飾にも対応できるため、スーパーなどの食品容器として欠かせないトレー・パックから、プラスチック製のおもちゃ、電気部品、自動車部品など、とても幅広く利用されています。

 

用語解説

グラビア印刷
写真製版による凹版印刷の一種。版の上の小さなくぼみの深さで、インキの厚みを変えることによって濃淡を表現する。もともと雑誌などで本文は活版印刷、絵や写真をグラビア印刷で行われていた時期があり、グラビアページと呼ばれていた。グラビアアイドルなどの呼び方はそのなごり。

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