粉体製造用微噴凍結乾燥装置を開発、販売開始
—薬液から充填まで凍結乾燥製剤の一貫ラインを構築—

2010年6月24日 株式会社アルバック

 株式会社アルバック(本社 神奈川県茅ヶ崎市、社長 諏訪秀則)は、直接真空中に液体を噴射して凍結乾燥する技術(マイクロパウダードライ、micro powder dry)を開発、また無菌製剤量産用として粉体充填から容器封止(巻締め)までを一貫ラインとして構築したシステムをリリース致します。
 凍結乾燥技術は医薬品や食品用途で広く利用されておりますが、市場的には医薬品業界でのマーケットが大きく、また一部の無菌製剤の製造工程では必要不可欠な技術となっています。
 しかし、従来の棚段式の装置では、薬液を容器(バイアル瓶、アンプル瓶、トレイ)に充填してからその容器ごと移送するため、凍結乾燥前後のハンドリングで必ず開放操作が入ることと、その容器移送時の発塵による異物混入といった問題が有りました。
 さらに昨今は、抗癌剤などのハザード無菌製剤も製造されるようになり、高度な無菌性保証やハザード対応を求められるようになってきております。これに対応するため、微噴凍結乾燥技術の開発と併せバイアル瓶充填用無菌製剤一貫ラインを構築致しました。

1. 微噴凍結乾燥技術

 微噴凍結乾燥とは 液体を真空中に噴射し、自己凍結により凍結させて氷の微粒子を作り、そのまま真空下で乾燥させることによって凍結乾燥粉体を製造する技術です。
 真空中に直接液体を噴霧して凍結乾燥するというアイデアは従来からありましたが、ノズル氷結や融解、乾燥に長時間を要するなどの問題があり、実用化には至っておりませんでした。
 今回開発した新技術は、特殊なノズルの開発と真空チャンバーの構造及び加熱・回収機構の開発により、乾燥時間の短縮と高い回収率を実現しました。基本特許含め多数の関係特許を国内外に出願しております。

2. 微噴凍結乾燥(マイクロパウダードライ:μPD)方式のメリット

 真空中に直接液体を噴射するので、噴射された微小液滴が瞬時に凍結して濃度分布を発生させません。また特殊な噴射ノズル構造により、ノズル部が氷結することなく連続的に噴射ができ、粒子径の制御も可能となっています。
 微噴凍結乾燥で生成される微粒子は、内部がポーラスな球形をしております (写真1、2)。ノズル選択と噴射条件により、数10μmから数100μmの微粒子が生成可能で、ノズル数を増減することで処理量を調整します。

 粒度分布は極めて狭く(図1)精密な粒度制御が可能であり、溶解性にも非常に優れております。

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写真1 : 粉体の顕微鏡写真
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写真2 : 粉体表面のSEM写真
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図1 : 粒度分布測定結果

3. 凍結乾燥無菌製剤一貫ライン

 今回、微噴凍結乾燥技術の開発に合わせて無菌製剤用途の一貫ラインを構築致しました。同ラインは、微噴凍結乾燥装置を中心に薬液調整工程以降から容器封止(巻締め)工程までをカバーしています(図2)。
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 図2 : 医薬品製造工程フロー図

 従来のシステムでは、棚段式の凍結乾燥装置で凍結乾燥バルクを作り、粉砕・分級・混合工程を経て乾燥粉体を製造し、粉体充填以降の工程や凍結乾燥前後の移送で無人化・自動化が困難であり、オペレータが直接作業を行うことが多く、無菌保証・ハザード汚染といった点で難点が有りました。また、その粉体を移送するのに容器を使用するため異物混入という危険性を秘めておりました。
 今回発表する微噴凍結乾燥技術は、これらの課題を解決するものであり、薬液調整から凍結乾燥・粉体充填・容器封止(巻締め)まで一貫ラインを構築できます。

4. リリース装置

 今回当社が、開発、販売を開始した微噴凍結乾燥装置は、「μPD400」と「μPD2000」の2機種があります。μPD400は実験用途の小型機、μPD2000は量産を目的とした大型機です。微噴凍結乾燥はまったく新しいプロセスであり今までにない性状の微粒子が得られるので、その応用範囲は非常に広いものとなります。
 μPD400は、医薬品のみならず、食品、ファインケミカル、電子材料等の微粒子素材への応用が期待でき、新しい素材としていろいろな業界・分野で研究、開発に利用されることを期待されます。
 また、量産機μPD2000は医薬品用途をターゲットとして設計されておりますが、他の分野での利用を想定した機種も随時開発していく予定です。

5. 本装置の応用分野

1) 医薬品の製造
無菌製剤(抗生物質、ワクチン、抗癌剤、血液製剤等 )
その他製剤(錠剤、散剤、カプセルなどの経口剤、ハップ剤、吸入剤の原薬等)
2) その他応用分野
食品、健康食品、化粧品、電子材料等

6. 販売価格

μPD400: 3800万円(国内標準価格)
μPD2000: 2億円(国内標準価格)
3億円〜(一貫ライン国内標準価格)

7. 販売見込み

μPD400の販売予定台数は、初年度5台、2011年度は10台以上を見込んでいます。μPD2000は、2012年度までに数台を見込んでいます。

8. 今後の予定

1) 当社茅ヶ崎本社工場で、サンプリング対応可能です。
2) 2010年6月30日(水)〜7月2日(金)「第23回インターフェックス ジャパン」(東京ビッグサイト)、アルバックブース(ブース番号22-24)で製品説明を行います。またインターフェックスジャパン出展社による製品・技術セミナー(6月30日(水)16:20-17:20 会場:東1ホール内EX-P1)で、無料講演を行います。

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