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トップコミットメント

代表取締役社長 岩下 節生

真空技術で持続的な成長と
社会課題の解決の両方を
目指します

真空技術で持続可能な
社会の発展を支えるULVAC

ULVACの使命と目指す姿

ULVACは、1952年の創業から一貫して「真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念に基づき、真空の特性を利用した様々な応用加工技術を発展させ、自動車から化学・医薬・食品、冶金、半導体・電子部品、液晶パネル(FPD)、有機ELディスプレイの量産に至るまで、産業構造の変化とともに新しい技術に果敢に挑戦し、応用分野を拡大してきました。

今後、あらゆる産業がエレクトロニクス化するスマート社会を技術革新の担い手として支え、これまで以上に、真空技術の総合利用による産業と科学の発展を通じて社会の持続的な成長や社会課題の解決に貢献することを目標に経営を行い、ULVACの中長期的な持続的成長と企業価値の向上を目指します。

「スマート社会」の技術革新を支え持続的に成長

世界では今、人口の都市集中や高齢化を背景に、エネルギー及び水・食料の不足、交通渋滞、医療の不足、自然環境の変化などによるリスクが大きな課題となっています。その一方で、数十年に一度と言われる技術革新の大波が到来し、情報通信の高速化、低消費電力化、交通・物流の自動化、農業生産の効率化、健康寿命の延伸をもたらすヘルスケアの発展などを通じて、社会課題の解決が図られつつあります。

AIやIoT、5G通信などの技術革新によって、あらゆる産業のエレクトロニクス化が進み、「スマート社会」が実現することで、様々な社会課題の解決につながります。そのためのキーデバイスである半導体メモリ・ロジック、MEMS・センサ、パワーデバイス、有機ELディスプレイなどの成長市場において、ULVACは成膜加工技術及び装置要素技術の提供によって、「スマート社会」の実現を支えていきます。

さらにそれらのコアテクノロジーを融合させ、新たなアプリケーションを生み出し提供することで、今後の「スマート社会」の伸展に貢献するとともに、ビジネスチャンスを拡大していきます。

真空総合メーカーとしての社会課題解決への貢献

ULVACは真空総合メーカーとして、ESGやSDGsで求められているような地球規模での環境や社会に関する課題に貢献できる分野が多数あります。

前述の「スマート社会」を支える基盤技術では、データの膨大化に対応した半導体の処理速度の高速化と、爆発的に拡大する電力需要を抑えるためのデバイスの低消費電力化が求められます。ULVACは、不揮発性メモリや実装などの微細化先端デバイスの分野において、技術や製造装置の提供によりこれらのニーズに応えます。
また、コンピューティングシステムの高度化を支えるAIチップの実現に必要な高密度実装技術に対応します。そして「CASE」と呼ばれる自動車の技術革新、モバイル端末の進化と5G通信ネットワークの拡大など、「スマート社会」の新たな用途の拡がりを、高性能ディスプレイやバッテリー、パワーデバイス、MEMS・センサなどの重要技術を通じて形にしていきます。こうした市場機会を獲得することで、私たちは、安全・安心で豊かな社会の実現という社会課題への貢献を果たします。

地球温暖化・気候変動や資源枯渇といった社会課題を解決するエネルギーマネジメント及び次世代エネルギーについては、再生可能・低炭素エネルギーシステムの進化とエネルギー変換効率の向上などが市場の課題です。太陽電池、リチウムバッテリー、パワーデバイスを通じた「創エネ・畜エネ・省エネ」を真空成膜技術やイオン注入技術で実現し、持続可能な社会づくりを支えます。

医療の拡充や健康寿命の延伸、食料需要の拡大といった社会課題を解決するヘルスケア分野、ライフイノベーション分野においても、市場機会が拡がっています。細胞やDNAを取り扱うバイオメディカルデバイスは、高度な微細加工技術が求められますが、ULVACがこれまで半導体で培ってきた薄膜形成技術の応用・発展により、そのニーズに応えることができます。

この他、凍結真空乾燥技術によるドライフードや粉末ワクチン・医薬品の長寿命化や容積の縮小、極低温技術が支える再生医療の進化、「スマート社会」の応用先である農業生産の効率化や遠隔医療などにおいても、真空技術を生かすことができます。
このようにULVACは、先端技術の開発と技術カバレッジの広さで、持続可能な社会の発展を多面的に支え、社会から必要とされ続ける会社を目指してまいります。

2018年度の振り返りと
今後の見通し

設備投資の延期を受け、減収・減益に

2018年度は、設備投資の動きが前期に比べ減速し、ULVACの業績も期初の計画に対して未達となりました。営業状況を振り返ると、FPD及びPV製造装置は、中国を中心としたテレビ向け大型液晶製造装置やスマートフォン向け有機ELディスプレイ製造装置などの受注を計上しましたが、受注高、売上高ともに前期を下回りました。
半導体及び電子部品製造装置において、半導体関連は、NANDフラッシュメモリやDRAM、次世代不揮発性メモリ向けスパッタリング装置や自然酸化膜除去装置などが、足元のメモリ関連投資の減速を受け、受注高、売上高ともに前期を下回りました。

電子部品関連は、モバイル機器向け高機能デバイスやパワー半導体向け製造装置が順調に推移しました。また、コンポーネントは、有機ELディスプレイ製造装置に搭載するクライオポンプをはじめ、FPD、半導体、電子部品業界や自動車関連向け真空ポンプ、計測機器が順調に推移し、受注高、売上高ともに前期を上回りました。一般産業用装置は、自動車部品製造用の真空熱処理炉や漏れ検査装置などを中心に売上高は前年度並みとなりました。一方、受注高は中国における高機能磁石製造用投資の延期などもあり、前期を下回りました。材料は、主に液晶ディスプレイ用スパッタリングターゲットを中心に受注、売上を計上しましたが、韓国における装置稼働の低下などの影響を受け、受注高、売上高ともに前期を下回りました。

利益面においては、減収の影響に加えて販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益率が前期の14.2%から10.8%に低下し、各利益項目とも減益となりました。

結果として当年度の連結業績は、受注高2,185億円(前期比10.1%減)、売上高2,207億円(同11.5%減)、営業利益238億円(同32.6%減)、経常利益256億円(同30.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益187億円(同48.0%減)となりました。

2019年度は目標数値未達予測であるも、中長期の市場展望を踏まえた成長戦略を加速

足元の事業環境は、半導体メモリの投資再開に遅れが見られ、テレビ向け大型液晶製造装置などの設備投資に関する商談が一巡したことなどから、設備投資の動きが一時的に弱含んでいる状況です。特に半導体メモリは、2017年から2018年にかけての活発な投資による供給過剰と価格下落が続き、また米中ハイテク摩擦による影響も生じているため、設備投資の本格再開は2020年以降になると予想されています。
そうした中、ULVACの2019年度は、テレビ向け大型液晶製造装置の受注に一服感が出てきており、スマートフォン向け有機ELディスプレイの顧客企業における投資計画も2020年度になる可能性が高いことから、FPD及びPV製造装置の受注高・売上高が引き続き減少する見通しです。

一方、半導体及び電子部品製造装置は、下期からの半導体メモリの投資再開に加え、PCRAM(新型不揮発性メモリ)やロジック、通信デバイス、センサ、パワーデバイスなどの伸びも期待できるため、受注高・売上高とも増加に転じるものと見込んでいます。以上を前提に2019年度の連結業績については、受注高2,060億円(当期比5.7%減)、売上高2,050億円(同7.1%減)、営業利益225億円(同5.6%減)、経常利益235億円(同8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益155億円(同17.0%減)を予想しています。

また、研究開発投資については、半導体メモリ・ロジック、MEMS・センサ、パワーデバイス、有機ELディスプレイなど今後の成長分野に積極的に取り組んでおり、研究開発設備投資等に98億円(当期比32億円増)、研究開発費に96億円(同4億円増)を計画しています。現在2017年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画では、最終年度における「売上高2,650億円」「営業利益380億円」の達成を目標に掲げていましたが、前述の通りこれらは未達となる見通しです。

しかし、2022年度の目標数値として設定した「売上高3,000億円「営業利益率16%」については、中・長期の市場展望を踏まえた成長戦略のもと、目標数値を変更せずに達成を目指してまいります。

資本政策について

資本政策については、財務の健全性や資本構成、将来を見据えた成長投資力、株主の皆様への利益配分などのバランスを考えて実施することを基本としています。

ULVACは、株主の皆様への利益配分を最も重要な政策の一つとして考えています。一方で、顧客の設備投資動向が著しく変動し、かつ、技術革新の激しい業界にあるため、研究開発投資や財務基盤の強化が更なる企業価値の向上のために必要と考えており、内部留保を充実させることは非常に重要と認識しています。

このため、利益配当については、財務基盤の状況や各年度の連結業績及び配当性向等を総合的に勘案して実施することを基本方針としています。

持続的な成長と
企業価値向上に向けて

グローバルな競争環境で勝ち残る

私たちULVACの強みは、真空技術及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、サービスといった幅広い事業領域を取り扱うことで生み出されるシナジー効果、幅広い技術カバレッジと製品ラインナップ、成長地域におけるサプライチェーンの確立にあります。

今後は、新市場や新技術に対応するためのグローバルな戦略的マーケティング機能の強化や多様な企業や研究所などとのビジネスパートナーシップの拡大、継続的に独創的な技術や商品の開発を実現するための体制の再構築や取り組みの強化を行い、世界的な技術革新に伴って拡大・変化する市場に対応していきます。

マーケティング面では、先進的な技術・製品の発信地である米国市場を注視しています。積極的な情報収集を図りながら、研究開発から量産化までグローバルな規模での協業につながるプロジェクトの獲得を推進しています。

一方、世界の半導体市場を牽引する台湾及び韓国では、顧客企業の近傍に研究開発拠点を設置しています。国内の開発体制と連携しつつ、現地市場に密着し、顧客企業との緊密な関係にもとづく開発に取り組んでいます。

中国では、ハイテク投資を促進する動きが継続する中で、より付加価値の高いモノづくりが求められており、ULVACはそれらのニーズをしっかりと取り込むべく研究開発体制を拡充しています。アルバックでは、「半導体装置」「FPD・PV」「電子機器」「産業機器」「規格品」「マテリアル」の6事業部とその関連業務を行うグループ会社の一体化を更に進めています。

また、2019年7月1日付で組織改編を実施し、各事業を支援する組織として、経営効率化の観点から業務面・制度面を見直す「イノベーションセンター」、グループ全体の経営資源を有効活用し、新たなビジネス価値につなげる「新ビジネス創成センター」、マーケティング機能や営業管理機能を統括し、グローバルマーケティング体制を強化する「営業・マーケティングセンター」、ものづくり力と生産性を高め、海外生産拠点との連携を強める「製造センター」を設置しました。今後はこの体制のもと、グループ経営の効率向上を図り、グローバルな競争環境で勝ち残るための全社的な変革を進めていきます。

社外の視点を活かした企業成長

グローバルな競争環境で勝ち残る

今や「スマート社会」による成長機会はますます拡がっており、ULVACによる価値創出の可能性も高まっていますが、一方で、競合する動きも次第に活発化してきました。そうした中で私たちが持続的成長を遂げていくためには、事業への執念と情熱を保持し、全社員と変革への意思を共有することが大事だと考えています。

こうした想いを社員に伝え、浸透を図ると同時に、コーポレートガバナンス強化の観点からも経験豊かな社外取締役の意見を積極的に取り入れ、取締役会の活性化と実効性向上に努めています。

私たちは、これらの取り組みを持続的成長につなげ、ステークホルダーの皆様に信頼される企業として存続してまいります。これからのULVACの飛躍にご期待いただき、引き続き長期的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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